「兄貴は平気なんですか?仮にも元カノさんじゃないですか。」


貴くんが心配そうに僕の顔を見つめる。
日菜ちゃんも貴くんと僕の顔を交互に見比べてる。


「正直、驚くことが多くて、気疲れしてるよ。だけど嘘をついていたのは僕の方だと思ってる。沙空を責める理由なんてないだろ…。」


「嘘?どういうことですか。」


貴くんが、怪訝そうな顔をして、聞き返してきた。


「いや、本気で向き合っていなかったと反省してるんだ。熱い何かもなかったし、ただ寂しい時間を埋められれば良かっただけなのかと…。」


僕は、そういっていてココロが整理できてきたようなそんな気がした。


理緒は少し複雑な顔をしていた。辛いかな…沙空の話をしたら。


「姉貴…。兄貴…。二人とも自分に自信を持ちなよ。」


貴くんに励まされる僕たち…
思わずどうしようと顔を見合わせる。


「あの…初対面でこういうのも失礼なのかなと思ったんですが…私お二人ご夫婦かと思いました。」


日菜ちゃんまで…。


「まぁ姉貴の落ち着いてる様子を見るところ、もう大丈夫だと思いますけど。」


貴くんの女性並みの勘は恐ろしい。