ー貴Sideー

美優がLINEを見て、呟いた

「あっ...今日裕司さんの命日だったんだ」

ドクン

「裕司さん?」

暦が聞くと、美優が答えた

「うん、由奈のお兄さん。裕司さんって言うの。2年前に、中学生ぐらいの男の子をかばって、交通事故で死んじゃったの。」

ドクン、ドクン

心臓が、不快なリズムを刻みながら、脈を打つ

「私も裕司さんに良く可愛がって貰ってたから、死んじゃったって聞いた時は、落ち込んだな…由奈はお兄ちゃんっ子でね…」

美優の声が上手く聞き取れない。

俺は手足の感覚が無くなるのを感じた

「犬神くん?大丈夫?顔色悪いよ?」

美優が心配そうに覗き込んで来た。