だからこんな先生は
ちょっと別人に思えちゃう。



「こ、これくらいしないと。入院とは言え、タダで置いてもらってる訳だし」



何もしないなんて
女としてのプライドが許しませんからね。



そうだ、そうだ

誤解を解くのを忘れていたッ



「でも!家賃とか光熱費の条件に釣られてっていうのは誤解ですからね!!!」



『軽い女』ってレッテルを剥がしてもらわないと。



「誤解?別にしてないけど」


「え?」


「最初から、そんな事思ってなかったよ」



…マジ。


それはつまり
あたしが誤解してたって事?

ただの思い込みだったのか…。



「まさか、それが目当てだったのか?」


「違います!」


「やっぱり条件が良すぎたかぁ」



先生は冗談か本気か
クスッと怪しく微笑んだ。


この医者
あたしで遊んでるな。



「先生も…」


「…なんだ?」


「あたしがここにいる事が病院にバレたら…」



『どうなるんですかね』と
今度はあたしが怪しく微笑むと
先生は『俺の職が…』って青ざめていた。