「ほんとに次が最後です。聞いてください。僕の少しの本音。」

私が、そう言うと音がなる。
私が紡いだ音に響が色を付けてくれたこの曲。
ホントの響のこの歌の意味を理解しに行くから。

「どうしようもないぐらいの、嘘と愛に溺れた声と唇。」

響……。なんで…。こんなにも悲しくさせるの?

「あの日からずっと君に言えなかった。僕は臆病だから。」

ねぇ…誰に向かって歌ってるの?
響の世界は誰を中心に回ってるの?

「君にもういっそ嫌われてしまえば楽だった。なのに心の底ではそれを望めない自分がいる。」

ねぇ…ほんとに響…。
貴方は、一体誰なの?

私はこの瞬間頭が真っ白になり歌詞が出で来なかった。

「でも、君は泣き虫だから僕のホントの気持ちに気づいたら泣いちゃうでしょ?」

そう、私に語りかけるように響が唄った。
なんで……。私が歌うより響が歌うほうが胸が苦しいの?