「ねえ、知ってる?2年に転校生だって!」
「本当?男?女?」
「なんかー、職員室で見た子が男だったって!」
「え、本当?かっこいいのかなー
「どうする?見に行く?」
「行っちゃおうか!」

新しい教室に向かう途中、すれ違いざまに聞こえた話

「七海、今の聞こえた?」
「聞こえた。男の転校生だってね」
「男よりも女の子の方が私は嬉しいのになー」

綾がボソッと言う

「綾は女の子が好きだもんね」
「だって可愛いもん!あー、甘え上手な彼女ほしい~!」

綾は実は女の子が好きな女の子

私はまだ恋ってよくわかんないけど、綾は小さい時から女の子が好きでずっとそれを見てきたから、同性愛は私の中で普通の恋愛の形

綾自身もオープンにしてるし、元々人懐っこくて好かれやすい性格だから同じ学年の人はほとんど知ってるくらい

「七海はどんな人を好きになるの?いまいち七海の好みわかんないんだよね」
「んー、好みって言われても……」
「もしかしたら、転校生に恋したりしてね~」



こんな冗談話が


まさか


本当になるとは


この時は思いもしなかった