「さやちゃん。」


急に名前を呼ばれて、振り向く。


隣のクラスだった、章司。



後で、すごーく感じの悪い奴だったと、章司は笑っていたね。



何度無視しても、

何度も、
何度も、声をかけてくれた人。


まっすぐな瞳で、見つめてくれた人。



私を、見つけて笑ってくれた唯一の存在だった。