雪の降る日。

久々に生まれた町に帰ってきた。


帰ってくるのが怖かった、この町。


章司に出会って、

愛された、この町。

章司を失った、

この町。


何も変わらない気持ち。

章司の手を離した私。


会いたい気持ち。

今さらだってわかってる。


あの日に戻れたとしても、私はきっと章司の手を離した。


今の私にも、
きっと壊れてゆく自分を止められないと思うから。


今も、章司を大切に想うから。