「華ちゃん、お風呂はいっておいで」


「あっ、うん」


華は俺の質問に答えず風呂に走って行った。


少し無神経だったかと思って反省していると、おばあさんが渉くん、と俺を呼んだ。

「あなたレディにそんなこと言わしちゃダメよ。
華ちゃんももうすぐ卒業するんだから、もういいじゃない」


おばあさんは意味深な笑顔で俺に小声で言った。

「華ちゃんのこと、好きで居てくれてるんでしょ?」

俺はまさかおばあさんにバレているとは思っていなくて、戸惑った。


「バレてないと思ってた?
結構前から知ってたけど。

渉くんは華ちゃんのこと大事にしてくれるから、私はもう何にも心配してないし協力するわよ。」


含み笑いのおばあさんに、俺はとてつもなく恥ずかしくなって何も言えなかった。


「可愛いわね、赤くなっちゃって。
おばあちゃんはもう寝るから華ちゃんのことは好きにしていいわよ」


よろしくね、おやすみ、と言っておばあさんは寝室に向かった。