一緒にいるだけで嬉しかった
乃嘉を思うだけで幸せだった
でも…
実際それを幸せに感じていたのは
俺だけだったのか……?
最近、乃嘉が少し悲しそうに笑っているのを感じていた。
無理矢理笑顔を作っているのを分かっていた。
なのに俺は…
それから目を逸らして
結局自分の幸せを優先させていたんだ
乃嘉の気持ちを
……無視していたんだ。
俺がやっと動けるようになった時
辺りはもう
真っ暗だった
それでも 俺はその足で乃嘉を探すため走った。
いるはずもないのに
髪を乱しながら走った
走りつかれて
時間なんてまったく分からない
光を失う町並みは、
月の光によって 照らされる。
そんな中俺は、
バカみたいに 走り続けていた…―