さんざん波とたわむれてから
また真ん中あたりまで戻った。


ゆるやかな波。

浮き輪にくぐったまま

ぷかぷか漂う。

浮き輪につかまって

彼も漂う。



「あのさ」

『ん?』

「知ってる?」

『何を?』

「俺の名前」