ひとしきり泣いた後、彼女は徐ろに立ち上がり
「サナエ!わたくし決めました!」
と声高らかに叫んだ。

おお、やっと決心してくれたと安堵したのも束の間。

「サナエをわたくし専属の料理人にします!」

「え、ええーっ!」

そっちかよー!なんて言えるはずもなく、私の手を取ったエミリーはドレスを着ているとは思えないほど軽やかに走るのだった。