試合が終わり、コートの片づけをして練習は終わった。部員はそれぞれ仲の良いものどうし連れ立って歩いていく。これから学校指定のジャージに着替えて帰るんだろう。そんな姿を通りすがりに見た覚えがある。

どうしようかな。練習を見に行くとは言ったけど、このあとどうするかなんて約束はしていないし。想史にも友達同士の付き合いがあるだろうし……。

携帯を取り出し、なんてメッセージを送ればいいのか考えていると、グラウンドから誰かが走ってきた。茶色っぽい髪を揺らしてくるあの人は、間違いなく想史だ。どきりと胸が高鳴った。


「瑠奈、校門で待ってて。着替えたらすぐ来るから」

「あ、うん」

「じゃあな!」


想史は額に汗を光らせながらも爽やかに笑って手を振りながら仲間の元に戻っていく。遠くで、仲間に冷やかされているのであろう想史の姿が見えた。ちらと見えた横顔は、全然嫌がっていないようで胸が熱くなる。

『俺の彼女です』って、紹介してくれているのかな……。

夢見心地で、いや実際夢なんだけど、ふわふわした足取りで校門に移動して待っていると、上級生と思われるサッカー部の男子と、可愛い感じのマネージャーさんが目の前を一緒に帰っていった。二人はとても仲が良さそうで、思わずじっと見てしまう。