うっかり忘れていたんだ。運動部って、土日もないのよね。今日は他校との試合じゃなくてグラウンドで練習するだけだから、午前中で終わるみたい。午後の野球部と交代するんだって。

目立たないように制服を着て、端っこで想史を応援する。彼は白いTシャツに、下は青いハーフパンツに、スネ当てを潜ませたサッカー用の靴下を履いている。他の皆も同じ服装だ。当たり前だけど。

軽くドリブルの練習やパス回しの練習をしたあと、試合になる。じゃんけんで勝った人はそのまま、負けた人はマネさんが持ってきた赤いビブスを着た。

コーチがホイッスルを鳴らす。想史は一年生ながらフォワードに抜擢されたらしく、敵ゴールの方へ走っていく。
小学生の時は、想史も朔も同じサッカースクールに入団していて、日曜の朝になるとお母さんと一緒に彼らの練習を見ていたっけ。学年が上がるにつれて、だんだん行かなくなっちゃったけど。

入りたての一年生の頃は、ポジションなんて関係なく、みんなでお団子みたいになってボールを追いかけてたっけ。線を越えたボールを朔と想史で引っ張りあって取りあってた。