「本当だよ」


朔にからかわれるのが嫌で、朔と私と想史の関係が変わってしまうのが怖くて、ずっと言えずにいた。
うなずくと、想史はまた頬を赤くした。


「良かった。俺も、瑠奈のこと好きだよ」


ちょっとはにかんで言う想史の顔は今まで見たことのないもので。こんなに可愛い顔をするんだと、胸がキュンと鳴った。


「俺もなかなか言えなくて……もっと早く言えば良かった」


ずっと好きだった想史が、私と同じ気持ちだったなんて。胸の奥についていたつぼみが一斉に花開くような感覚を覚える。胸が幸せな気持ちで膨らんで、天に昇っていってしまいそう。


「ど、ど、どうして……言ってくれなかったの……」

「いや……俺たち、幼なじみじゃん。保育園の頃から知っててさ……そういうやつが異性として自分を見てたら気持ち悪くないかなと思って」


ぼそぼそと言い訳をするように小さな声で話す想史。そりゃあ、普通の高校生が保育園児を異性として見ていたら気持ち悪いけど、そうじゃないんだから。一緒に大きくなってきたんだから、何も問題ないでしょう?