人生の転機? となった遠足のあと
なぜか私たちは、クラス内で
宿敵高梨愛美と島崎きららのグループに入れられた。
遠足班グループだ。
多分、私と紗里奈が自分たちの身分をわきまえ
特に抵抗することなく
自分たちの引き立て役になっているからだろう。
でも、いいことだってある。
大希くんが、近くなった。
私に話しかけてくるんじゃなくて
やっぱり高梨愛美と主にしゃべってるんだけど
それでも、以前までは盗み聞きしか出来なかった会話に
『入っている』のは、とてもいい。
私は、みんなの楽しそうな会話を聞きながら
ふふっと笑っているだけで済んでいるので
楽ちんなうえに、
この人の声を間近にきけて
とっても幸せ。
まぁ、なにかってーというとすぐに
愛美、きららと一樹、あの人
私、紗里奈と松永、酒井くんに
仕分けされるんだけど。
この酒井くんという人は
とても大人しくて本ばかり読んでいる。
頭もいい。
けど、本当に口数の少ない人だから
実にありがたい。
あの人と、宿敵愛美がいる場が戦場ならば
ここはほっと安心できる
ホームグラウンド。
なんにもしゃべらない酒井くんの隣に座って
いくらでもぼーっとしていられるし
松永自身は、害のない奴だから
問題なし。
しかも、今までは紗里奈と二人だけだったから
普段は聞きにくい男子の生態も、気楽に聞けるようになったのは
大きな収穫だ。
お昼ご飯を食べ終わったあとで
何となく4人がくっついてしゃべってる。
私と紗里奈が、あれこれ話している内容に
松永がゆるーい突っ込みを入れて
酒井くんは、ひたすら本を読んでる。
そんな昼休み。
「おー、お前ら、なにしゃべってんの?」
たまに、あの人もやってくる。
それは、滅多にないことだけど
こんな日は、いつにもまして、幸せ。
松永が、この人のために席を用意する。
そこに、自然に腰を掛けて座る、その瞬間が
なによりも一番好き。
「PボーイバックのTAKUYAとMAKIの
手の大きさと指の長さの比率」
「は? なにそれ」
眉をしかめたこの人の仕草に
私と紗里奈は笑う。
何が面白いのか、自分でもさっぱり分からないし
松永とこの人も、分かってないと思うけど
やっぱり笑う。
幸せ。
席替えがあった。
あの人より、前の席になると最悪。
席を移動するときにしか、その姿が見えないから。
一番の理想は、あの人の近くの、後ろ側の席。
授業中でも、いつでも見たい時に
その姿が見えるから。
ドキドキのくじ引き。
やった! 一番後ろの席だ。
全員で一斉に机を引きずって席移動。
自分の席に、移動が完了して、
一安心。
で? あの人は??
「わ、横山さんのすぐ前だ。
よろしくね」
超新星爆発のように光るその笑顔が
まぶしすぎて見ていられない。
「あ、はい、すみませんでした、私で」
そのままうつむいてしまったから
あの人がどんな顔をして前を向いたのかは
知らない。
大きな背中が、目の前にある。
触れたいけど、触れられない
大きな背中。
においでも、かいどくか??
よけいに怒られそうだから
やめとこう。
なぜか私たちは、クラス内で
宿敵高梨愛美と島崎きららのグループに入れられた。
遠足班グループだ。
多分、私と紗里奈が自分たちの身分をわきまえ
特に抵抗することなく
自分たちの引き立て役になっているからだろう。
でも、いいことだってある。
大希くんが、近くなった。
私に話しかけてくるんじゃなくて
やっぱり高梨愛美と主にしゃべってるんだけど
それでも、以前までは盗み聞きしか出来なかった会話に
『入っている』のは、とてもいい。
私は、みんなの楽しそうな会話を聞きながら
ふふっと笑っているだけで済んでいるので
楽ちんなうえに、
この人の声を間近にきけて
とっても幸せ。
まぁ、なにかってーというとすぐに
愛美、きららと一樹、あの人
私、紗里奈と松永、酒井くんに
仕分けされるんだけど。
この酒井くんという人は
とても大人しくて本ばかり読んでいる。
頭もいい。
けど、本当に口数の少ない人だから
実にありがたい。
あの人と、宿敵愛美がいる場が戦場ならば
ここはほっと安心できる
ホームグラウンド。
なんにもしゃべらない酒井くんの隣に座って
いくらでもぼーっとしていられるし
松永自身は、害のない奴だから
問題なし。
しかも、今までは紗里奈と二人だけだったから
普段は聞きにくい男子の生態も、気楽に聞けるようになったのは
大きな収穫だ。
お昼ご飯を食べ終わったあとで
何となく4人がくっついてしゃべってる。
私と紗里奈が、あれこれ話している内容に
松永がゆるーい突っ込みを入れて
酒井くんは、ひたすら本を読んでる。
そんな昼休み。
「おー、お前ら、なにしゃべってんの?」
たまに、あの人もやってくる。
それは、滅多にないことだけど
こんな日は、いつにもまして、幸せ。
松永が、この人のために席を用意する。
そこに、自然に腰を掛けて座る、その瞬間が
なによりも一番好き。
「PボーイバックのTAKUYAとMAKIの
手の大きさと指の長さの比率」
「は? なにそれ」
眉をしかめたこの人の仕草に
私と紗里奈は笑う。
何が面白いのか、自分でもさっぱり分からないし
松永とこの人も、分かってないと思うけど
やっぱり笑う。
幸せ。
席替えがあった。
あの人より、前の席になると最悪。
席を移動するときにしか、その姿が見えないから。
一番の理想は、あの人の近くの、後ろ側の席。
授業中でも、いつでも見たい時に
その姿が見えるから。
ドキドキのくじ引き。
やった! 一番後ろの席だ。
全員で一斉に机を引きずって席移動。
自分の席に、移動が完了して、
一安心。
で? あの人は??
「わ、横山さんのすぐ前だ。
よろしくね」
超新星爆発のように光るその笑顔が
まぶしすぎて見ていられない。
「あ、はい、すみませんでした、私で」
そのままうつむいてしまったから
あの人がどんな顔をして前を向いたのかは
知らない。
大きな背中が、目の前にある。
触れたいけど、触れられない
大きな背中。
においでも、かいどくか??
よけいに怒られそうだから
やめとこう。