キャンプの1日目は、ほぼ移動だけで終わる。
バスに揺られて、ついたら昼過ぎ
荷物を整理する間の
ちょっとした休憩時間
クラスの女子部屋となっているバンガローに
私たち4人は押し込められた。
「あっつーい!」
「エアコン、つけよ!」
愛美ときららは、他の女子たちともしゃべりながら
普段通りに過ごしてる。
「みなみが、楽しそうにしてて、よかった」
「どうして?」
「なんか、このキャンプ、嫌そうだったから」
「嫌じゃないよ」
そうだよね、私だって
本当は、せっかくの野外キャンプを
ずっと嫌な思いのままで、
過ごしたくなんかない。
「今日の夕飯は、食堂だね」
みんなで集まって食べる晩ご飯。
味なんて、分からない。
きららが騒いで、一樹がのっかって、
みんながわらうから、私も笑ってる。
「女子って、どこで寝てんの?」
一樹よ、いっそのこと
お前が問題行動をおこして、
このキャンプを中止にしてくれ。
「あのね、この建物の前の坂を下りていった……」
「わぁ! ダメだよ、みなみちゃん、
そういうこと言っちゃ!」
きららが、慌てて口を挟む。
「もぉ、みなみちゃんったら、
ホントに無防備なんだから」
「聞いたって、本気で行かねーよ!!」
なんだよ、来ないのか、一樹め
頬染めて、うつむきやがって。
私は本気にしたのに。
「あー、飯が終わったら
このままここで、明日の打ち合わせな」
大希くんの半袖の、シャツの下から伸びる腕の筋肉に
目が吸い寄せられたまま、離れてくれない。
もう、この人は
お風呂に入ったのかな、
湯上がりでほかほかのこの人とか
見てみたいな
「お風呂って、いつだっけ?」
「風呂?」
私の質問に、この人の顔が赤くなる。
「風呂は、今日は、この後からで、
湯上がり女子の楽しみは
明日のキャンプファイアーの時!」
なんだ、明日かー
ふと見上げると、周囲の男子が
皆、一様に引いている。
「もう、横山さんって、
そういうところが天然だったんだね」
「え、なんで?」
愛美の、言っている意味が分からない。
従者松永の顔が赤い。
「新発見だ」
「とにかく!」
頬を染めたままの、松永の謎発言も遮って、
やっぱりまだ照れたままような、この人が声をあげる。
「明日の朝は早いから、
今日はさっさと寝ろよ」
女子側の班長、高梨愛美に、それだけをいいつけて、
男軍団は、さっさと引き上げてしまった。
残念、どうせなら
もっとあの人を見ていたかったな
「で、愛美は、いつ告白すんの?」
きららが、好奇心丸出しの目で
愛美をのぞき込む。
「タイミングを、ずっと考えてる」
「いや~ん、ドキドキするぅ!」
うるさいぞ、きらら。お前は黙ってろ。
そして、高梨愛美、お前も真っ赤な顔して、
自分から、宣言してるくせに
照れてんじゃねーよ。
あぁもう、やってらんねー。
愛美を主人公にして、きららと紗里奈が、
あれこれ、どうでもいいアドバイスをしている。
その光景に、私はふとひらめいた。
そうだ。これは、こいつらが
ただキャンプを盛り上げたくて
イベントにのっけるイベントとして
楽しんでるだけなんだ。
群れてなくては生きていけないタイプの女の、
習性かつ本能だ。
自分が主人公であり続けるための
愛美の巧妙な計略だ。
きっと、どーせ、キャンプが終わった帰りには
『やっぱり、出来なかったー』とかで、
終わるヤツだ。
なんだよ、くだらねー。
そうだよ、どうせこの女は
告白なんて、バカなまねはせずに
このまま私と同じ、敗者として終わる。
そうだよ、そうに違いない。
そう思うと、ちょっと安心する。
シャワーだけの、簡単な入浴を済ませて
私は、さっさと布団へもぐり込んだ。
バスに揺られて、ついたら昼過ぎ
荷物を整理する間の
ちょっとした休憩時間
クラスの女子部屋となっているバンガローに
私たち4人は押し込められた。
「あっつーい!」
「エアコン、つけよ!」
愛美ときららは、他の女子たちともしゃべりながら
普段通りに過ごしてる。
「みなみが、楽しそうにしてて、よかった」
「どうして?」
「なんか、このキャンプ、嫌そうだったから」
「嫌じゃないよ」
そうだよね、私だって
本当は、せっかくの野外キャンプを
ずっと嫌な思いのままで、
過ごしたくなんかない。
「今日の夕飯は、食堂だね」
みんなで集まって食べる晩ご飯。
味なんて、分からない。
きららが騒いで、一樹がのっかって、
みんながわらうから、私も笑ってる。
「女子って、どこで寝てんの?」
一樹よ、いっそのこと
お前が問題行動をおこして、
このキャンプを中止にしてくれ。
「あのね、この建物の前の坂を下りていった……」
「わぁ! ダメだよ、みなみちゃん、
そういうこと言っちゃ!」
きららが、慌てて口を挟む。
「もぉ、みなみちゃんったら、
ホントに無防備なんだから」
「聞いたって、本気で行かねーよ!!」
なんだよ、来ないのか、一樹め
頬染めて、うつむきやがって。
私は本気にしたのに。
「あー、飯が終わったら
このままここで、明日の打ち合わせな」
大希くんの半袖の、シャツの下から伸びる腕の筋肉に
目が吸い寄せられたまま、離れてくれない。
もう、この人は
お風呂に入ったのかな、
湯上がりでほかほかのこの人とか
見てみたいな
「お風呂って、いつだっけ?」
「風呂?」
私の質問に、この人の顔が赤くなる。
「風呂は、今日は、この後からで、
湯上がり女子の楽しみは
明日のキャンプファイアーの時!」
なんだ、明日かー
ふと見上げると、周囲の男子が
皆、一様に引いている。
「もう、横山さんって、
そういうところが天然だったんだね」
「え、なんで?」
愛美の、言っている意味が分からない。
従者松永の顔が赤い。
「新発見だ」
「とにかく!」
頬を染めたままの、松永の謎発言も遮って、
やっぱりまだ照れたままような、この人が声をあげる。
「明日の朝は早いから、
今日はさっさと寝ろよ」
女子側の班長、高梨愛美に、それだけをいいつけて、
男軍団は、さっさと引き上げてしまった。
残念、どうせなら
もっとあの人を見ていたかったな
「で、愛美は、いつ告白すんの?」
きららが、好奇心丸出しの目で
愛美をのぞき込む。
「タイミングを、ずっと考えてる」
「いや~ん、ドキドキするぅ!」
うるさいぞ、きらら。お前は黙ってろ。
そして、高梨愛美、お前も真っ赤な顔して、
自分から、宣言してるくせに
照れてんじゃねーよ。
あぁもう、やってらんねー。
愛美を主人公にして、きららと紗里奈が、
あれこれ、どうでもいいアドバイスをしている。
その光景に、私はふとひらめいた。
そうだ。これは、こいつらが
ただキャンプを盛り上げたくて
イベントにのっけるイベントとして
楽しんでるだけなんだ。
群れてなくては生きていけないタイプの女の、
習性かつ本能だ。
自分が主人公であり続けるための
愛美の巧妙な計略だ。
きっと、どーせ、キャンプが終わった帰りには
『やっぱり、出来なかったー』とかで、
終わるヤツだ。
なんだよ、くだらねー。
そうだよ、どうせこの女は
告白なんて、バカなまねはせずに
このまま私と同じ、敗者として終わる。
そうだよ、そうに違いない。
そう思うと、ちょっと安心する。
シャワーだけの、簡単な入浴を済ませて
私は、さっさと布団へもぐり込んだ。