校外学習、夏休みに突入した直後に予定されている
野外キャンプの班分けは決まった。
安定の、2-2コンビ、4対4組
この待遇も、酒井不動明王大明神のなせる技。
実にありがたい存在。
班の中で、係を決めなければならない。
まずは、班長と副班長、あとは、保健が男女で1名ずつと
美化が、4名。
「あー、俺! 保健、保健!」
一樹がエロ丸出しで、一番に保健係に立候補、
やっぱり私は間違いなくお前が嫌いだ。
「え~、あたしはぁ~、血とか、病気とか嫌だからぁ~
美化にしよ」
きらら、自分で勝手に美化の欄に名前を書く。
おい、ちょっと待て、ここでお前が、
一樹とセットで保健係にならないで
誰が保健係をやるんだ?
この場の空気をちゃんと読めよ!!
「あ、じゃあ、俺は美化で」
松永も美化に名前を書く。
そうだよな、お前はそうだ。
じゃあ、酒井大明神が班長?
大希くんnは?
「えー、じゃあ、俺も美化にしようかな」
あの人が、ペンを手に取った。
え? 本気で美化に立候補する気?
ならば!
「じゃ、私も美化で」
紗里奈が、ぎょっとした顔でこっちを見てる。
すまない、許せよ戦友、
全ては、場の定位置を崩した宇宙人きららのせいだ。
「ね、待って、班長と副班長は、誰がやるの?」
よくぞ言った高梨愛美、みんなその役割を避けようとしている。
「じゃんけん、する?」
「私、副班長でいいよ」
紗里奈が、完全降伏の白旗を揚げる。
「え、本当に?」
あの人が、紗里奈に同情した!
「うん、他に、やりたいっていう人がいないんだったら
私、班長はいやだけど、副班長だったら……」
全員の目が、紗里奈に注がれる。
紗里奈は、じっと黙ったまま、動かない!
「じゃ、一緒に、班長、する?」
「え?」
大天使ヒロキが、紗里奈のために班長欄に
自ら名前を書いた!
「あ、ありがとう、じゃあ……」
紗里奈がペンを手に取る。
このまま、紗里奈とこの人が
班長と副班長という魅惑のゴールデンコンビ結成?
ちょっとま……
「分かったよ、私が副班長やるよ」
すかさず、愛美が提出用紙を取り上げた!
「なんか、雰囲気的に、このまま加藤さんに
副班長、押しつけるわけにもいかないし」
おい、こらちょっと待て高梨愛美!!
「いい、の?」
「副班長、やりたい?」
愛美が、ペンと用紙を紗里奈に突きつける。
紗里奈! ここは、お前が副班長に立候補するんだ!!
「いや、保健係で、いいよ」
Oh! NO! SARINA!!
そこは、ふんばっとけ!!
私の応援空しく、
紗里奈は、保健係に署名した。
「じゃ、横山さんと酒井くんは、
美化でいいよね」
終わった。完全に終わった。
なんだ、この不自然な係決め
「いいよ」
完全無欠の不動明王、酒井大明神、動かず
私の名前は、宿敵高梨愛美によって
美化係として登録される。
あぁ、こういうハプニングも
時にはつきものなんだよな。
そんなこと、
自分勝手な、都合のいい組み合わせと言われたら
それまでなんだけど。
完敗
宿泊に関して、女子だけを集めた説明会があった。
その会場となっている教室に移動する。
「私、川本くんのことが、好きなの」
移動完了、席についたとたん、こんな人混みの中でも
高梨愛美は、遠慮なくぶち込んでくる。
「ふふ、そんなの、みんな知ってるよねぇ」
きららは、けったいなほほえみを浮かべて、肩肘をついた。
「だからさ、このキャンプの時に、
告白しようと、思ってる」
そう、いつだって
試合の前から、勝負は始まっている。
野外キャンプの班分けは決まった。
安定の、2-2コンビ、4対4組
この待遇も、酒井不動明王大明神のなせる技。
実にありがたい存在。
班の中で、係を決めなければならない。
まずは、班長と副班長、あとは、保健が男女で1名ずつと
美化が、4名。
「あー、俺! 保健、保健!」
一樹がエロ丸出しで、一番に保健係に立候補、
やっぱり私は間違いなくお前が嫌いだ。
「え~、あたしはぁ~、血とか、病気とか嫌だからぁ~
美化にしよ」
きらら、自分で勝手に美化の欄に名前を書く。
おい、ちょっと待て、ここでお前が、
一樹とセットで保健係にならないで
誰が保健係をやるんだ?
この場の空気をちゃんと読めよ!!
「あ、じゃあ、俺は美化で」
松永も美化に名前を書く。
そうだよな、お前はそうだ。
じゃあ、酒井大明神が班長?
大希くんnは?
「えー、じゃあ、俺も美化にしようかな」
あの人が、ペンを手に取った。
え? 本気で美化に立候補する気?
ならば!
「じゃ、私も美化で」
紗里奈が、ぎょっとした顔でこっちを見てる。
すまない、許せよ戦友、
全ては、場の定位置を崩した宇宙人きららのせいだ。
「ね、待って、班長と副班長は、誰がやるの?」
よくぞ言った高梨愛美、みんなその役割を避けようとしている。
「じゃんけん、する?」
「私、副班長でいいよ」
紗里奈が、完全降伏の白旗を揚げる。
「え、本当に?」
あの人が、紗里奈に同情した!
「うん、他に、やりたいっていう人がいないんだったら
私、班長はいやだけど、副班長だったら……」
全員の目が、紗里奈に注がれる。
紗里奈は、じっと黙ったまま、動かない!
「じゃ、一緒に、班長、する?」
「え?」
大天使ヒロキが、紗里奈のために班長欄に
自ら名前を書いた!
「あ、ありがとう、じゃあ……」
紗里奈がペンを手に取る。
このまま、紗里奈とこの人が
班長と副班長という魅惑のゴールデンコンビ結成?
ちょっとま……
「分かったよ、私が副班長やるよ」
すかさず、愛美が提出用紙を取り上げた!
「なんか、雰囲気的に、このまま加藤さんに
副班長、押しつけるわけにもいかないし」
おい、こらちょっと待て高梨愛美!!
「いい、の?」
「副班長、やりたい?」
愛美が、ペンと用紙を紗里奈に突きつける。
紗里奈! ここは、お前が副班長に立候補するんだ!!
「いや、保健係で、いいよ」
Oh! NO! SARINA!!
そこは、ふんばっとけ!!
私の応援空しく、
紗里奈は、保健係に署名した。
「じゃ、横山さんと酒井くんは、
美化でいいよね」
終わった。完全に終わった。
なんだ、この不自然な係決め
「いいよ」
完全無欠の不動明王、酒井大明神、動かず
私の名前は、宿敵高梨愛美によって
美化係として登録される。
あぁ、こういうハプニングも
時にはつきものなんだよな。
そんなこと、
自分勝手な、都合のいい組み合わせと言われたら
それまでなんだけど。
完敗
宿泊に関して、女子だけを集めた説明会があった。
その会場となっている教室に移動する。
「私、川本くんのことが、好きなの」
移動完了、席についたとたん、こんな人混みの中でも
高梨愛美は、遠慮なくぶち込んでくる。
「ふふ、そんなの、みんな知ってるよねぇ」
きららは、けったいなほほえみを浮かべて、肩肘をついた。
「だからさ、このキャンプの時に、
告白しようと、思ってる」
そう、いつだって
試合の前から、勝負は始まっている。