今にも全身がグラッと倒れそうになっている私の様子に全く気付いていない芽衣は、興奮が冷める事無く、
「本当!今朝のホームルームの時に相葉先生が言ったんだって。学校中で話題になってた!」
そう言ってソファから立ち上がった。
「へぇ…そうなんだぁ。良かったね…。」
私はいつものように微笑んだ。
本当は半信半疑の気持ちを抱えたまま、今すぐ泣きたい気持ちだった。
少し離れた場所にいた母から、
「残念だったね、さくは相葉先生に憧れてたんでしょう?」
そう言われて、
『あぁ、お母さんは気付いてたのか。』
と、初めて知った。
でも今はそれどころじゃなくて、
「ははっ、まぁね。でも良かったんじゃない?おめでたいね!…私、部屋に荷物を置いてくる。」
私は無理に笑顔を作ってそう言うと、足早にリビングを出て2階にある自分の部屋に入った。
自分の部屋に入った途端、私はその場にへたりこんでしまった。
同時に、ずっと我慢していた大粒の涙が、いくつもいくつも頬を伝っていく。
『相葉先生が結婚してしまう』
その事が、自分をどうしようもなく取り乱していた。
どうしたらいいんだろう。
新しい恋が出来なくて、
やっぱり相葉先生が好きなんだって思い知ったのに、
相葉先生が結婚してしまうなんて…。
『信じたくない―…』
たった1年と少しの時間が、
こんなにも…
こんなにも全てを手遅れにしてしまうなんて、思ってもいなかった。
『イヤ…!』
絶望が侵食していく私の体を、自分自身で抱き締めた。
微かに体が震えていた。
“私はどうしたらいいの?”
“どうしたら時間を巻き戻せるの?”
“どうしたら幸せになれるの?”
いくつもいくつも、疑問が私の頭の中を駆け巡る。
“私と相葉先生が結ばれる日は、一生訪れないの…?”
まるで自分一人だけがこの世に取り残されたような、暗い気持ちの中にどんどん落ちていった―…
「本当!今朝のホームルームの時に相葉先生が言ったんだって。学校中で話題になってた!」
そう言ってソファから立ち上がった。
「へぇ…そうなんだぁ。良かったね…。」
私はいつものように微笑んだ。
本当は半信半疑の気持ちを抱えたまま、今すぐ泣きたい気持ちだった。
少し離れた場所にいた母から、
「残念だったね、さくは相葉先生に憧れてたんでしょう?」
そう言われて、
『あぁ、お母さんは気付いてたのか。』
と、初めて知った。
でも今はそれどころじゃなくて、
「ははっ、まぁね。でも良かったんじゃない?おめでたいね!…私、部屋に荷物を置いてくる。」
私は無理に笑顔を作ってそう言うと、足早にリビングを出て2階にある自分の部屋に入った。
自分の部屋に入った途端、私はその場にへたりこんでしまった。
同時に、ずっと我慢していた大粒の涙が、いくつもいくつも頬を伝っていく。
『相葉先生が結婚してしまう』
その事が、自分をどうしようもなく取り乱していた。
どうしたらいいんだろう。
新しい恋が出来なくて、
やっぱり相葉先生が好きなんだって思い知ったのに、
相葉先生が結婚してしまうなんて…。
『信じたくない―…』
たった1年と少しの時間が、
こんなにも…
こんなにも全てを手遅れにしてしまうなんて、思ってもいなかった。
『イヤ…!』
絶望が侵食していく私の体を、自分自身で抱き締めた。
微かに体が震えていた。
“私はどうしたらいいの?”
“どうしたら時間を巻き戻せるの?”
“どうしたら幸せになれるの?”
いくつもいくつも、疑問が私の頭の中を駆け巡る。
“私と相葉先生が結ばれる日は、一生訪れないの…?”
まるで自分一人だけがこの世に取り残されたような、暗い気持ちの中にどんどん落ちていった―…