――――
―――――…
「やっぱさぁ、カッコイイよねぇ。」
車を降りて建物の入り口に向かって歩いてくる一人の男の人を見て、私が“カッコイイ”と言ったその人は、通っている自動車学校の先生だ。
青山直人。
28歳、独身。
この自動車学校で一番人気のイケメン先生は、
目鼻立ちがはっきりとした、爽やかな男の人だった。
元々、私の担当の先生ではなかったけれど、途中から私の担当になる事が増え、
おかげで今ではすっかり青山先生とも顔馴染みになっていた。
「おっ、帰るのかー?」
私に気付いた青山先生が声をかけてくる。
「はい、帰りますー。」
一緒にいた瑞穂と一緒に元気よく答えると、
「気を付けてなー。」
そう言って、颯爽と事務所の中へと消えていった。
青山先生の姿が見えなくなった事を確認すると、
「確かにカッコイイけど、私はあっちの方がいいかな。」
そう言って、瑞穂が視線の先で示したのは外にいた他の若い先生で、
見た目のイメージではなんだか頼りない雰囲気の先生だった。
「…好み、合わないよねぇ!」
私たちは顔を見合わせて笑った。
こんな時少しホッとしてしまう。
友達と好きな人が同じだった時ほど、困る事はないから。
現に、私はその理由で過去に友達をなくしているし、
同じ事は二度と繰り返したくないと思っていた。
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「やっぱさぁ、カッコイイよねぇ。」
車を降りて建物の入り口に向かって歩いてくる一人の男の人を見て、私が“カッコイイ”と言ったその人は、通っている自動車学校の先生だ。
青山直人。
28歳、独身。
この自動車学校で一番人気のイケメン先生は、
目鼻立ちがはっきりとした、爽やかな男の人だった。
元々、私の担当の先生ではなかったけれど、途中から私の担当になる事が増え、
おかげで今ではすっかり青山先生とも顔馴染みになっていた。
「おっ、帰るのかー?」
私に気付いた青山先生が声をかけてくる。
「はい、帰りますー。」
一緒にいた瑞穂と一緒に元気よく答えると、
「気を付けてなー。」
そう言って、颯爽と事務所の中へと消えていった。
青山先生の姿が見えなくなった事を確認すると、
「確かにカッコイイけど、私はあっちの方がいいかな。」
そう言って、瑞穂が視線の先で示したのは外にいた他の若い先生で、
見た目のイメージではなんだか頼りない雰囲気の先生だった。
「…好み、合わないよねぇ!」
私たちは顔を見合わせて笑った。
こんな時少しホッとしてしまう。
友達と好きな人が同じだった時ほど、困る事はないから。
現に、私はその理由で過去に友達をなくしているし、
同じ事は二度と繰り返したくないと思っていた。