その事を知ったのは、たまたま知ちゃんと話をしていた時だった。
生徒会役員の務めである、放課後の校内点検をしている梢を待っていた時、偶然部活が休みだった知ちゃんと話をした。
最初は“最近起こった面白い出来事”を話していたのだけれど、
その内話題は“加奈子”の事になった。
始めは、
「また加奈子が…。」
と、いつもの如く、身勝手な行動をとる加奈子に関するグチを聞いていた。
その話の殆どは、
「一緒に帰ろう」って言われたから待っていたのに、気付いたら先に帰ってた、とか。
「みんなで力を合わせて練習しようよ!」って言ってたくせに、自分が一番サボってるとか。
そんなに大事ではないのだけれど、ちょっと困るかな…っていうような話で。
心の広い知ちゃんは“怒る”というより“困ってる”風で、笑いながら話していた。
その最中、突然知ちゃんが、
「あ…そういえば…。」
と、何かを思い出したのに口にする事を躊躇うような、そんな意味深な表情をしたのだ。
「どうしたの?」
知ちゃんの様子を見てたら逆に気になって、私の方から問い掛けた。
「うん…。」
「…?」
私は、俯いて黙りこんでいる知ちゃんの言葉の続きを待った。
「加奈子が…。」
「うん?」
知ちゃんは躊躇いながらも、何かを決断したかのように私を見つめて言葉を続けた。
「…加奈子が少し前に、一人で相葉先生の家に遊びに行ったんだって。」
「え…?」
「遊びに行ったって、部屋に入ったって言ってた。」
「…」
“相葉先生の家に、一人で遊びに行った”
たったそれだけの出来事だけど、
『どうして?』
私の頭の中はパニック状態で、まさかっていう気持ちと嫉妬によって今にも狂いそうになっていた。
生徒会役員の務めである、放課後の校内点検をしている梢を待っていた時、偶然部活が休みだった知ちゃんと話をした。
最初は“最近起こった面白い出来事”を話していたのだけれど、
その内話題は“加奈子”の事になった。
始めは、
「また加奈子が…。」
と、いつもの如く、身勝手な行動をとる加奈子に関するグチを聞いていた。
その話の殆どは、
「一緒に帰ろう」って言われたから待っていたのに、気付いたら先に帰ってた、とか。
「みんなで力を合わせて練習しようよ!」って言ってたくせに、自分が一番サボってるとか。
そんなに大事ではないのだけれど、ちょっと困るかな…っていうような話で。
心の広い知ちゃんは“怒る”というより“困ってる”風で、笑いながら話していた。
その最中、突然知ちゃんが、
「あ…そういえば…。」
と、何かを思い出したのに口にする事を躊躇うような、そんな意味深な表情をしたのだ。
「どうしたの?」
知ちゃんの様子を見てたら逆に気になって、私の方から問い掛けた。
「うん…。」
「…?」
私は、俯いて黙りこんでいる知ちゃんの言葉の続きを待った。
「加奈子が…。」
「うん?」
知ちゃんは躊躇いながらも、何かを決断したかのように私を見つめて言葉を続けた。
「…加奈子が少し前に、一人で相葉先生の家に遊びに行ったんだって。」
「え…?」
「遊びに行ったって、部屋に入ったって言ってた。」
「…」
“相葉先生の家に、一人で遊びに行った”
たったそれだけの出来事だけど、
『どうして?』
私の頭の中はパニック状態で、まさかっていう気持ちと嫉妬によって今にも狂いそうになっていた。