―――――…
「終わったねー!」
先に片付け終えた瑞穂が私に近付いてきた。
その表情は、やりきった達成感に満ち溢れているように見える。
「瑞穂、出来た?」
ワープロを片付けながら問いかけると、瑞穂は嬉しそうに答えた。
「うん、何とか全部出来たよ!さくは?」
「うん、私も出来たよ。」
「…だと思った!」
もしかしたら、私も瑞穂と同じような表情をしていたのかもしれない。
ワープロをバッグにしまって席を立ち、教室を見回して相葉先生の姿を探すと、先生は他の生徒に囲まれて質問攻めにあっていた。
本当は、もしもチャンスがあったら誕生日プレゼントを渡そうと思っていた。
誕生日当日に必ず渡せるとは限らないから、朝からずっとバッグの中にプレゼントを忍ばせていたのだ。
だけど、
『あんなに生徒に囲まれている状態じゃ渡すのは無理そう…。』
そう思った私は仕方なくプレゼントを持ち帰ることにして、離れた場所にいる相葉先生に挨拶をした。
「先生、さようなら。」
私の声に気付いた相葉先生は、こちらを見て一瞬“あっ”というような表情をすると
「さようなら。」
そう言って、軽く微笑んだ。
相葉先生の声は心地良くて、ただの挨拶なのに十分私を幸せな気持ちにしたし、
本当はもっと話したかったなって切なくも思った―…
私は瑞穂と教室を出ると、少しだけ寄り道をして帰る事にした。
相葉先生の誕生日まであと2日。
『それまでに絶対、渡さなくちゃ。』
そう心の中で呟いた私は、また明日に望みを賭ける事にした。
「終わったねー!」
先に片付け終えた瑞穂が私に近付いてきた。
その表情は、やりきった達成感に満ち溢れているように見える。
「瑞穂、出来た?」
ワープロを片付けながら問いかけると、瑞穂は嬉しそうに答えた。
「うん、何とか全部出来たよ!さくは?」
「うん、私も出来たよ。」
「…だと思った!」
もしかしたら、私も瑞穂と同じような表情をしていたのかもしれない。
ワープロをバッグにしまって席を立ち、教室を見回して相葉先生の姿を探すと、先生は他の生徒に囲まれて質問攻めにあっていた。
本当は、もしもチャンスがあったら誕生日プレゼントを渡そうと思っていた。
誕生日当日に必ず渡せるとは限らないから、朝からずっとバッグの中にプレゼントを忍ばせていたのだ。
だけど、
『あんなに生徒に囲まれている状態じゃ渡すのは無理そう…。』
そう思った私は仕方なくプレゼントを持ち帰ることにして、離れた場所にいる相葉先生に挨拶をした。
「先生、さようなら。」
私の声に気付いた相葉先生は、こちらを見て一瞬“あっ”というような表情をすると
「さようなら。」
そう言って、軽く微笑んだ。
相葉先生の声は心地良くて、ただの挨拶なのに十分私を幸せな気持ちにしたし、
本当はもっと話したかったなって切なくも思った―…
私は瑞穂と教室を出ると、少しだけ寄り道をして帰る事にした。
相葉先生の誕生日まであと2日。
『それまでに絶対、渡さなくちゃ。』
そう心の中で呟いた私は、また明日に望みを賭ける事にした。