翌日の放課後、瑞穂と梢と3人で買い物に行く事になった。


『一人で見に行くより絶対にいいはず。』


私はそう、思っていた。


何にしようかとショップを転々とハシゴし、その度に


『相葉先生はアクセサリーを着ける感じでもないし…。』とか、


『こんなに地味なものをあげる気にもなれないし…。』とか。


色々見ても、なかなかピンと来るものがみつからない。



「さく、こういうのは?」


そう言って瑞穂と梢は立ち止まると、お洒落なネクタイを指差した。


瑞穂たちの傍に寄って見てみると、それは本当に先生に似合いそうな感じで、


「わぁ!カッコイイね。」


私はそう言いながら、そのネクタイをして教壇に立つ、相葉先生の姿を想像していた。

それからすぐに値札を見ると、


「!!!」

すごくカッコイイけど、完全に予算オーバー。

ネクタイだったらよく使ってもらえるだろうから、本当はプレゼントしたいけど…


「うぅ、無理だぁ!」


私は泣く泣く、手に取ったネクタイを元の位置に戻し、この時ばかりは少ないお小遣いとバイトが出来ない環境を恨んだ。