────────ガチャ


あ、ノックするの忘れた。


「うおっ。びっくりしたー。
………なんだ水野か。」


「なんだとはなんですか。」


「いや、ノックくらいしろよ。」


「心の中ではしました。」




「…まぁいい。そこ座れ。」



先生はひとつの席を指さしていった。


私は黙って移動し、席についた。




そう言えば、この教室机と椅子が2つずつしかない。


数特教室ってそんなレベルの『特別』だったんだ。
そしてその『特別』で今から私は補修…。




「早速、やろうか。」


勝手に落ち込んでいると、いつの間にか座ってた大槻先生が言った。



「はい。」