「ないない。」


あとでいじられたら困るから、はっきり言った。



だけど、


「でもねー、ちょっと気になることはあるかも。」


と、続けた。



「えっ?」


今度は緋麻里が驚いたような顔で聞き返した。


「なんとなく…」



大槻先生は何か重大な秘密を持っている気がする。

そう言おうとした時





~~♪

緋麻里の携帯がなった。




「もしもし。」


誰からだろ?


っていうかタイミング悪っ!

見事に遮られましたね。ある意味すばらしいよ。




「ごめん、夏鈴。」



いつの間にか通話を終えていた緋麻里がいきなり謝ってきた。


「ど、どうしたの?」



テンパりながら答える私に緋麻里は言った。



「実は今日、急にいとこが来ることになってすぐ家に帰らなきゃいけなくなったの。」