「杏果おはよう。昨日はありがとう。」

「おはよう竜野君。ううん!また、時間が合えば一緒に行こうね。」

「ああ、その時はよろしく。///ってか、今日は何?」

「へ?何が?」

「いつもお洒落だけど、今日は特に可愛い過ぎだよ。帽子が超似合うし…。」

「だって…先輩褒められて嬉しいですか?」

「…るさい。お前だろ?」

「チョイスは毎日先輩だし?」

「え?百瀬さんがいつも?」


余りにもびっくりした竜野君は それ以降黙ってしまった。


確かにマメだよね。先輩は私の着せ替えを毎日楽しんでいるみたいだけど…やっぱり普通は変だ。

部屋に入ると

「きゃあ、杏/// 可愛すぎて困る!あなた 何でも似合うけど その帽子はヤバいわよ…」

即 抱きしめられた。

「あの///圭さん、そんなに興奮しないで?」


下から圭さんを見上げると…


「いや~ん///更に煽るとか わざと?」

「おい、うざいからやめろ。」

「もう、すぐに凱人は焼きもち焼くんだから。いやだわ。」

と言ってチュッとキスをする圭さん。

チッ。

舌打ちだけが聞こえる静かな色部に気不味い時間が流れる。


「朝礼に行きましょ!凱人はケチよね。今日あなた杏を丸一日独占なのに。あ~いやだいやだ! 」


圭さんがとんでもない事を言う。
違うから。私の心の中に独占絶賛中なのは常に先輩で ブームはいつまで続くのか先は見えない。


「杏 ぼぉっとするな。」


先輩に言われ後ろに慌てて付いて行く。ただそれだけで気持ちが上がるとか、どれだけ私は先輩に嵌まっているの?

私は この先この人から必要とされなくなる日がくるのが怖い。今は考えない。ただ前を見るだけ…

想いにレベルがあれば、目安に出来るのだけれど、どこまでも続くのかわからないエンディングがないスト―リ―に、ため息をそっとつくのであった。