そんな、微妙な空気の中、場違いにのんびりとした声が響いた。

 
 「ついた~」 
 
無論、迷である。

そのあとに、蛍と白山さんも続く。
 
 「ついたね!」
 
 「意外にはやかったですね。」
 

 声のした方に顔を向けると、巨大なノートが3冊広げられており、

迷はその上で伸びを。

蛍はまだ寝転んでいて。

白山さんは立ち上がり、名残惜しそうにノートを見ている。


どうやら小説を読んでいる途中だったらしい。

このノート、好きな小説まで読めるのだ。

さすが、迷のために迷が開発したノートである。