そう言って迷がガサゴソと手元のかばんをあさった。そうして、出てきたのは。
「折り紙……、ですか?」
そう言って、白山さんが首を傾げた。
「そうだよ~」
「おい、俺は木村が乗ってたのと同じやつを持ってこいと言ったんだが」
なんとも言えぬ表情でツッコミを入れる石川くんに、迷はふふふふふと笑って答えた。
「これはただの折り紙じゃないのだ~」
これを、こうして、と言いながら2枚の折り紙を折り始める迷。
「できた~!じゃじゃーん!パタパタする鶴~!と、普通の鶴~」
「は?」
「まあまあ、見てなって。」
なんなのこいつと言いたげな石川くんに笑顔を向けてから、迷は普通の鶴を床に置き、パタパタする鶴を両手で持った。そして、その鶴をパタパタさせながら、
「おおきくな~れ~、おおきくなあれ~!」
すると、あら不思議。床に置いたごく普通の折り鶴がどんどん大きくなるではありませんか。
石川くんが乗れるくらいの大きさになると、迷は手を止めて、大きくなった鶴に近寄った。軽くその背に触れる。
「まあ、強度もこんな感じで大丈夫かな」
そう呟くと、振り返って石川に笑いかけた。
「はい、どーぞ!乗ってって~」
「え、いや、折り紙、だよな?」