「なんか、ごめん。俺心配させるような奴だけど___」



「ちげーよ」

「いや、ほんとのことだから___」



「黙れ。自己評価が低いわりには無駄な度胸あるようだが、お前は人間の恐ろしさを分かってない」



「え?」


「人間ってのはな、大体が低脳で、頭悪いことしか言わないんだぞ。しかも、自己中心的なヤツばっかりだ。一人でなんか行ったって、素直に王様に会わせてくれるわけがないんだよ」


「うっうん?」


「それに、お前みたいなお人好しの塊みたいなヤツがだ、平和協定なんて一人で結んでみろ、不平等条約みたいなやつに騙されてサインしなきゃいけなくなるに決まってんだろーが」



怒濤のような台詞に、一同はぽかーんと口をあける。




「お前には俺が必要なんだよ!」

石川くんが言い切ると息をすって木村くんをもう一度揺さぶった。



「分かったかっ!」

「うん?」

「分かれっ!」


「分かる」

石川くんの気迫に押された木村くんがコクリと頷く。


「よろしい」

満足そうに石川くんは木村くんをはなそうとして___



「………たぶん?」


一同、スッ転んだ。


 
どこまでも正直な木村くん。