リビングに案内されると、本当にリゾートホテルみたいだった。


私がキョロキョロしていると、


「後から部屋に案内するから。荷物置いてそこに座りな。」


そう言ってキッチンから冷たい麦茶を持ってきてくれた。


私は座ってありがとうと口パクで言った。


向かい側におばあちゃんが座った。


「久しぶりって言っても、仁華は分からないかもね。随分昔だったから。とりあえず、ここまで来るの遠かったでしょ?少し休みなさい。」


おばあちゃんの笑顔はなんか、ホッとする。


私はバッグからノートを取り出した。


私が話せないこと、知ってたの?


私がそう書くとおばあちゃんは頷いた。


「お母さんから聞いてたよ。・・・・・・ねぇ、仁華?ここはいじめも悪口も無いよ。だから、ゆっくり、毎日楽しんでね。そうだ!ここをまっすぐ行くと海があるから。」


ありがとう。行ってみたい。


そう書くとおばあちゃんが思い出したように言った。


「そうだ。ここの田舎には同じ年齢の子はあんまりいないんだけどね、何人かいるから外に出れば会えるかもね?」