「昇
ご飯ダョ」
亜弥は大声で呼び掛けた。
「イラねぇよ」
「オニギリくらい食べれるでしょ??」
亜弥はオニギリのフィルムをはがして、昇の前に差し出した。
「はい あン」
「自分で食える。」
昇はオニギリを亜弥の手から奪い取って食べた。
亜弥は昇の血の出ている左腕に包帯を巻いた。
「よし出来た」
「へたくそ」
「どこが下手なのょ」
「全てダョ………」
「こんなコトなら
逃げれば良かった……」
「おいおい
誰も頼んでねぇぞ。。。」
「私だって
『誘拐して』なんて、
頼んでません」
しばらく二人は
睨みあっていた。
「アハハハハは」
二人は堪えきれず
笑いだした。