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前回とは違う女性が出迎えてくれて、前回と同じ豪華な客室へと通された。


伸紀が俺の後ろで緊張しているのがわかる。


俺自身は別の意味で緊張していた。


「やぁ、また君か。おや、相方が違うみたいだね」


前回と同じソファに座り、別の女性を左右に座らせた村山が腰も上げずにそう言って来た。


「今日は聞きたい事があってきました」


「なんだ。いい商品が入ったとかじゃないのか」


村山はあからさまに顔をしかめてそう言ったが、無下に追い返す気もないようだ。


俺と伸紀は勝手に向かい側のソファに座った。


「なんだか緊迫した雰囲気だな。どうした?」


「友人が『人間発注書』に売られました」


俺は村山を真っ直ぐに見つめてそう言った。


村山はピクリと眉を動かして興味を示した。


「同級生の女子生徒です。俺は彼女を助け出したいんです」


「その子は美人か?」