__混んでる。

初めてのお昼の食堂。
その第一印象はそれ。

とにかく人が多く、券を買うのにも一苦労しそう、、

しかも、席は所々に一席ずつ空いてるだけ。

私とふーちゃんが並んで座る場所などない。


「わあ〜、今日はいつもより空いてるよ〜。ラッキーだねっ!!」

この混み具合に驚いているとふーちゃんが衝撃的なことを言った。

これ以上混んでるなんて、、。


「…座る場所…ないわね…」

「場所〜?あー、心配いらないよっ!」

心配いらない?
どういう意味かしら…

そう疑問を持ったが、その疑問の答えはすぐに出た。

「姫さん、どうぞっ!!取っておきましたよ!」

「わ〜い。ありがと〜っ」

目の前のテーブルにいた男達がふーちゃんを見ると席を譲ってくれたのだ。

「ねっ??姫の特権!」

ふーちゃんは得意げな顔で私に顔を向ける。

「…ふーちゃんって…すごいのね」

「あはは。美夜ちゃんだって姫だよっ」

素直にそういうと可笑しそうに笑われた。

「…もしかして…食券も…、、」

少し期待する。

「食券は自分で買わなきゃ〜。お金まで出してもらうのはねぇ、、。もしかして美夜ちゃんお金持ってきてないのっ?」

お金の問題じゃない…でしょ。

食券を求めて並ぶ長い長い列を見てこっそりため息をついた。