「またね〜っ」
春クンに加えて、ふーちゃんと光輝さんも私の家を知っていた。
だけど、あえてそこには触れず、家の前で降ろしてもらった。
「またね…」
ニコリと笑顔を向けるとふーちゃんはますます大きく手を振った。
そんな微笑ましいふーちゃんを後に、家に入る。
…静かだ。
ついさっきまでいた和やかな空気の車内を思い出し恋しくなる。
そんなことを感じてしまう自分が怖くなる。
信じていたって裏切られる…
だって、彼らはまだ私の能力の事は知らないもの。
知っているのは"不思議な事件"のことだけ。
それじゃあ、あの人達と同じ…
"事件"の表面だけを見て私を蔑んでいた…
私の言葉になんか耳も傾けずに
__「バケモノ」
そんな言葉で私を痛めつけた。
「…っっっ」
ダメだ…
まだ…。いつまで続くの…
この恐怖から…早く逃げ出したい。