「わ…私より先にかの…あっ、ふーちゃんから…」
彼女と言おうとして慌てて訂正する。
あ、でも、ふーちゃんを送った後に光輝さんと２人っきりはダメかな…
「やっぱり…先で…」
「え〜、美夜ちゃんどうしたの？」
「何か勘違いしてるようだが、俺と冬華は交際してないからな」
「あはは。そんなこと思ってないよね〜？そんな変な関係じゃないからっ！」
ふーちゃんは笑い飛ばすけど私はそう思ってた…
「ん？美夜、冬華の苗字知ってるか？」
「ふーちゃんの苗字…？」
「青波 冬華だよっ」
え…青波？
ってことは…
「…兄弟…？」
「うんっ。そうだよっ。知らなかったの〜？」
「…知らなかった」
「あはは。じゃあ、勘違いしてたんだぁ。光輝なんかと付き合わないよ〜っ。私は王子様みたいな人と付き合うのっ！」
「はぁ？俺もお子ちゃまなんかお断りだ」
「お子ちゃまってなによぉ！美夜ちゃん〜っ。」
兄弟で言い争ってる…
「ふふ…。いいなぁ…」
「え〜っ、どこがよぉ！」
「美夜は桜樹の仲間だろ。仲間は家族だ。」
家族＿＿
ほんのりと心が暖かくなった気がした。
＿＿だけどそんなひとときは続かない。
＿＿歯車が回り出す
＿＿「バケモノはコロさなきゃね…」
