佐伯さんは頷いて、車を走らせた。




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ーガタン


「葉月ーっ」


玄関から私の名前を呼ぶ優雅の声。

少し息を切らせ気味で入ってきた。




急いで帰ってきてくれたんだ…。



「お袋も皐月もいんのか…」

不満そうに顔を歪める優雅と、ニヤッとわらう2人。


「葉月、どうだった?」




私の座るソファーに座って、私の顔を覗き込んだ。


「あのね…怒らない?」

「あ?」

「嫌がらない?…怒らないで…聞いてね…」


「なんだ…?…怒んねぇから…言って」



優しく私の肩を抱き寄せた優雅。


「に、んしん…してた…」