皐月に促され、優雅に電話をかけた。

2コールですぐに出た優雅。
よっぽど心配していたのか、食い気味で聞いてきた。


「もしも、」
『どっか悪かったのか!?』

「あ…」
『ん!?』

「大丈夫大丈夫。大袈裟だな。心配しすぎ」
『笑うなよ…どうだったんだ?』

「あのね…今日遅いって言ってたよね…?」
『あっ…あぁ…。いや!早く帰る!!!ちょっと待ってろ!おい、圭斗!!!俺の今日の分の仕事明日に回せ!分かったって。文句は明日聞く。…よし、すぐ帰る!』





そう言ってブツリと切られた通話。



スマホの画面に通話終了の文字。

画面を見ながら目をパチパチさせていると、予想していたのか、クスクス笑う2人。



「何笑ってんですか、帰りますよ!」




私は2人を引きずって、終わるまで待ってくれている佐伯さんのところまで行った。





「姐さん、どちらまで?」

「マンションまでお願い。」