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「下條さーん、下條 葉月さーん」



「2人はここにいて下さい」




「「えっ」」

私はスマホを皐月に預けて、戸惑う2人を置いて診察室に入った。




私が診察室に入ったのを確認した看護師は、扉を閉めて医者の隣に立った。

若い男性医者だった。





「初めてですね。僕は五条 樹里(ゴジョウ イツキ)です。今日はどうされましたか?」


「3、4日前から倦怠感と微熱があって…あまり気にしていなかったんですが、今日吐いてしまって…」





「うーん…嘔吐に倦怠感、微熱…か。…少し胸の音聞きますね。」


少し顔を顰(シカ)めながら胸の音を聞く五条先生。




「お腹も失礼しますね」


そして、同じように顔を顰め、首をかしげてから言った。


「お腹の張りや、腰痛、腹痛はありますか?」

「おへその下のあたりに、生理痛と似た痛みが少しありますが…。生理前からかなって…」



「そうですか…。そこに横になってください」



私は看護師に誘導されてベッドに横になった。

「お腹触りますね、失礼します」



そう言って私のお腹を触れるように触った。
軽く押したりする。




「うん、やはり。冴島(サエジマ)さん、産婦人科の徳孝(ノリタカ)先生に連絡とって来てもらってください」