夏の太陽の強い光は肌に痛いくらいだ。

「柚依?
なんでそんな目細めて太陽見てるんだ?

「向日葵の気持ちになってみたの。」

「向日葵の気持ち?」

「うん。」

「手が届かなくても見つめていたくて。
いつも姿を探してる。
でも、それって太陽には迷惑なのかな。」

向日葵に自分の姿を重ねていた。

「自分の気持ちは自分だけのものだろ?
他の誰かに動かせるものじゃないから。」

私の気持ちは私だけのもの。

ただ見つめているだけなら、た好きでいるだけなら先生、許してくれますか・・・?

「今日は家庭科部の日だから、一人で帰るね。」

古賀君はなるべく一人にならないようにと気を使ってくれている。

「図書館で待ってるけど。」

「今日が初めてだし何時に終わるか解らないから。
それに紗智も一緒だから。」

「そっか。
じゃあ気をつけて。」

古賀君と別れると私は家庭科室に向かった。