待ちに待った十年ぶりの再会まで
あと残り三十分を切った。

倫子嬢、
ただいま待ち合わせ場所の某駅に電車で
向かっておりまーす!


天国のおばあちゃんごめんなさい。

あなたの願いむなしく
今日はついに倫理にそむきます。

ん?

うん、おばあちゃんピンピンしてるってば。
アハハ。


うん、
めちゃめちゃテンションあがってるわー。

もう朝から落ち着かないのなんのって!

旦那はさ、ホントいい人すぎるんだよね。

「倫子ちゃん、
 真亜子さんと会えるの本当に楽しみなんだね。
 ソワソワしてる。楽しんでおいで」

って言ってやさしく見送ってくれたんだよね、
ニコニコしながらさー。

マジで、私、クズだろ。

フフン。
クズでもなんでもいいのだ。


ついに、ついに。

直くんと再会!

うん、
あの返信から毎日何通ものやりとりをしてさー。

マジやばいって。
今日ぜったい襲われるわー。
アハハ。

ヤバイヤバイ、
浮かれすぎ~。


あ、やっば。

窓に映ってる私、
ニヤニヤしすぎだっつうの。