「嬉しい……」
「あやの」
「リョウとずっと一緒にいられるなんて、幸せ」
「っ」
「リョ────」
握られていた手をグイッと引っ張られたかと思うと、次の瞬間には口を塞がれていて。
いつもより強引なキスに抵抗する暇もなく酔わされてしまう。
誰かに見られたら、と恥ずかしい思いは頭の片隅にはあった。
けど、リョウのキスが優しくなった途端そんなものは消えてしまって、ただただリョウを感じることだけに集中する。
「リョウ……」
お母さんだけじゃなく、自分も大好きになった街の景色。
それを見ながら大好きなリョウとキスをしてるなんて、なんて幸せなことなんだろう。
「ありがとう」
自分でもなんでこの言葉が出たのか分からなかった。
けど、伝えたかったんだ。
リョウに。
私と出逢ってくれて、
好きになってくれて、
諦めないでくれて、
ずっと一緒にいたいと思ってくれてありがとうって。
心から伝えたくなった。