「お母さん!二人で頑張るので見守ってて下さいね」



そうお母さんにお願いをして、その場から手を繋いで歩き出す。




「あやの」

「ん?」



跳ねながら階段を登っていると、リョウに呼びかけられた。


振り返ると、私の手を取って握りしめるリョウ。


真剣な目で見つめてくるリョウにどうしたんだろうと不思議に思っていると、




「────大学に受かったら一緒に住もう」




唐突にそう言われて、一瞬理解出来なかった。




「一緒に、住む……?」


理解出来たのは、自分の口でそれをなぞった時。



「嫌か?」

「っ、ううん!嫌な訳ない!」

「なんでそんな必死なんだよ」



私が何度も何度も首を横に振るものだから、リョウがククッと笑みを零した。


その笑顔を見て実感が湧いてくる。



リョウが私と住みたいと思ってくれてるんだってことを。