お父さんにも事情があるって事は私にも分かってるけど、もしも……もしもこのままお母さんとさよならする事になったら、リョウもお母さんもお父さんも後悔するかもしれない。



だから……



「生意気な事言ってすみません!お叱りはあとで受けます!だから……だから、リョウと一緒にお母さんに会いに行ってくれませんか!?

お父さんは、リョウとお母さんにとって大事な家族なんです……!」




お前が何を知ってるんだって、きっとそう思っていると思う。私だってそう思ってる。


だって、リョウの事、何も知らないから。


けど、何も知らなくても、リョウがお母さんの事大好きだって事は分かってるつもりだ。


大切だって、大事だって。


そう思ってるのは、お母さんにだけじゃない。


お父さんのこと憎んだって言ってたけど、本当に憎んでいたら次期若頭になろうだなんて思わないし、あんな顔、絶対にしない。



お父さんの事ちゃんと大好きで、大事に思ってる。


ねぇ、そうだよね、リョウ。