「いつの間に……」



そう零したのと同時に足の力が抜けて、その場にへたり込んでしまう。



「知らなかったのか?」

「え? あ、知ってた……けど、」



すっかり忘れてた。


そう言えば、侑真たちがGPSを頼りに追いかけて来てくれるっていう計画だったんだ。



「っ」

「どうした。どこか痛い所があるのか」

「ううん、大丈夫。どこも怪我してないよ」



あぁ、もう、ほんと馬鹿すぎて恥ずかしい。

侑真たちが来るのを忘れてなかったらあんな風に火に油を注ぐような事しなかったのに。






「痛い!!離してってば!!リョウ!!リョウ……!!」



少し離れた場所で、リナさんがナギサくんとイズルくんが連れて来た男達に無理矢理連れて行かれそうになっている。


必死にリョウを呼んでいる姿を見て、複雑な感情が込み上げてきた。


リナさんも私と同じ。ただリョウの事が好きなだけなのに……


室内に響くリナさんの叫び声を聞いていると、胸が苦しくて、悲しくて、自然と俯いてしまう。