「突然現れたリョウを見て、一目惚れした。ユウシがいるから好きになってもどうにも出来なかったのに、好きになるのを止められなかった」

「っ」



それってもしかして、次期若頭候補になる前からリョウ事が好きだったってこと……?



「諦めなきゃいけない───そう思っていた時、リョウが次期若頭候補になった事を知った」

「……」

「夢だと思った。Zeusが雷神に勝って、リョウと婚約することが正式に決まった時、本当に嬉しかった。

好きな人と結婚するなんて夢にも思ってなかったから、嬉しくて死にそうだった」


「……」

「……それなのに、それなのにっ!! なんで元カノのあんたがまた出てくるの!?なんで私からリョウを奪おうとするの!?」

「っ、」

「リョウと……!好きな人と結婚出来ると思ったのにっ……!!なんで私からリョウを奪おうとするのよ!!」



先にリョウと付き合っていたのは私だけど、別れた後に婚約したのはリナさん。



“あんたのせいで!!”



リナさんの言うとおり、私がいなかったら二人は間違いなく結婚していただろう。



私がリナさんの人生を壊してしまったんだ。

私がリョウを奪ってしまった。



私が────



「違う!!」