「離してってばっ…!!」



リョウの元へ行きたいのに、男二人に押さえ込まれて身動きが取れない。



「リョウっ!!」



どんなに体をよじってもビクともしなくて。

それでもやっぱり諦めることなんて出来ないから、何とか抜け出そうと暴れまくった。



「リョウ!!リョウ……っ!!リョウー!!」



何度も何度もリョウに向かって叫び、力の限り抵抗する。

すると、まるで私の呼びかけに返事するかのように扉が開いた。



「あやの!!」


そこから姿を現したのは待ち望んでいたリョウで。



「リョウ!!」



せっかく再会したのに、涙のせいでハッキリとリョウの顔を捉える事が出来なくて。


思いっきり目を瞑ると、溜まっていた涙が頬に流れ落ち、次に目を開けた時には、さっきよりも明確にリョウの姿を捉えることが出来た。



「っ、リョウ、怪我して……」


見えるようになって真っ先に飛び込んできたのは、ボロボロになったリョウの姿。


「っ、」


今すぐ駆け寄って行きたいのに、拘束されているせいでそれもかなわなくて。

何も出来ない自分に腹が立って、悔しい気持ちでいっぱいになった。