そんな感じで男たちに連れらて来られた訳なんだけど。
ここって繁華街だよ、ね……?
着いた場所は繁華街といっても外れの方で、私もあまり詳しくは知らない場所だった。
目隠しをして連れて来られたら、ここが繁華街だとは分からなかっただろう。
良かった。目隠しをされてなくて。
ここまでの道のりのお陰で、大体の居場所が把握する事が出来た。
ここからだと、リョウのお母さんがいる病院まで10分もかからない。
運良く信号に引っかからなかったら、5分ほどで行けるはず。
「こっちだ」
歩いていく内に次第に変わっていく街並み。
周辺のビルは今にも崩れ落ちそうなビルばかりで、逃亡者が隠れるにはもってこいだ。
あのギラギラしていた屋敷に住んでいた人がこんな廃墟ビルにいるだなんて全然想像がつかない。
そんな事を思いながら男たちに着いて階段を下りて行くと、薄汚れた古びた扉が目の前に現れた。
先頭を歩く男がその扉を開けると────
「やっと来たわね」
開けた先には、待ってましたと言わんばかりに腕組みをしているリナさんがいた。