「あやの、GPSはオンになってるか」
「え? あ、うん。オンにしたままだから動いてると思うけど……あっ」
そっか。そうしたら何もかも上手くいくんだ。
リナさんの事があってからこっち、私は侑真たちから離れるだけじゃなく、何か会った時の保険としてGPSのアプリをインストールしていた。
侑真はそれを使って私を追いかけてくるつもりなんだろう。
捕まったとしても、すぐに侑真やナギサくんがGPSを頼りに助けに来てくれる。
それさえ分かっていればもう何も怖いものなんてない。
「侑真、倉庫に帰ろう!」
そうと決まれば早く帰らなきゃ。
さっきの人たちは今も私たちを追いかけて来ているんだろうけど、こう車が多いとどれがあの人たちの車なのか分からない。
だから、倉庫にいる人たちに連れてってもらうのが一番手っ取り早い。
「瑠衣、颯太に電話しろ。俺はナギサに電話する」
「りょーかい」
倉庫に着くまで約5分。
その間にナギサくんと色々打ち合わせしなければいけない。
リョウ、待っててね。すぐに行くから。