「……」

「……分かった」



侑真は私が引き下がらないと悟ったのか、諦めたように、はぁ、と深いため息を吐き出した。

そんな侑真を見て私もホッと小さくため息をつく。



「侑真!いいのかよ!何されるか分かんねーんだぞ!?」



けど、安心したのも束の間、どうしても納得いかない瑠衣が侑真に噛み付いた。

隣にいるなっちゃんも口には出さないけれど、納得していない表情をしている。

そんな彼らを横目に、侑真の視線が私に向けられた。


その真剣な双眸にグッと強くこぶしを握りしめ、唇をキツく結んで次の言葉を待つ。




「────あやの」

「……うん」

「瑠衣の言ってる事の意味、分かるか?」

「……うん」

「何されるか分かんないんだぞ」

「……うん、分かってる」



覚悟はしている。



「それだけ覚悟してるのなら何も言わない」

「侑真!」

「瑠衣!」

「っ、」


なっちゃんに止められ、グッと黙る瑠衣。