正直に言うと、彼らに捕まるのは怖い。
けど、それよりもリョウの為に何かをしたいという気持ちの方が強かったから。
リョウとお母さんの為なら、こんな恐怖心なんともない。
「バカか!んなの許せる訳ねぇだろ!?これまで何の為に用心してたんだよ!危険な目に合わねぇ為だろうが!それなのに────」
「分かってる!!」
「っ、」
「分かってるよ!!……けど、それでもお母さんに会わせてあげたいの!」
「……」
「あんなにも……あんなにもお母さんのこと大事にしてたのに……!……っ、考えたくないけど……絶対に嫌だけど、もし……もしお母さんが……」
それ以上は言葉にならなかった。ううん、したくなかった。
危篤なんて言っていても、絶対に死ぬ訳じゃない。回復する可能性だって大いにある。
けど、それも“絶対”じゃない。
後悔したくなんかない。
後悔させたくもない。
だから────
「行かせて!お願い!」
リョウの元へ行かなきゃいけない。