「あやの……?」


衝動で浮かんだそれに心が頷いた。



そうだよ。私がリョウの元へ行ったらいいんだ。



きっとリョウはリナさんの所にいる。

私がわざと捕まってリョウの元へ行けばリョウと会える可能性が高い。


危険だって事は十分分かっている。

けど私は、何としてもリョウをお母さんの元へ行かせてあげたい。



「侑真、私、わざと捕まる」



────それが危険を伴う事だとしても。





「はぁ!?」

「えっ!?」

「あやの、なにを……」



みんなが驚くのも無理ない。

自ら敵地に乗り込むだなんて、正気の沙汰じゃないから。


それでも……



「わかってる。無謀だってことぐらい。

それでも、どうしてもリョウにお母さんの事を伝えたいの。

お母さんにリョウを会わせてあげたい。
リョウに、母さんを会わせてあげたい。


その為なら、何だってする」